「コッ、コッ、コケーッ！」というわけではありませんが、頭に赤いトサカを持つ、トサカ鉄塔です。

　基本的には足元にある変電所に送電線を渡す「怒り肩鉄塔」に分類される鉄塔なのでしょうが、この鉄塔は頭のテッペンに、どの腕金よりも出っ張った形の「赤いトサカ」を持っているのが特徴です。　鉄塔のテッペンが、トンガリ帽子型やＶ字型の鉄塔はよく見かけますが、「トサカ」は珍しいですね。

　さて、別のアングルから見ると、この鉄塔の複雑さに気付きます。片側は90度ズレた形で、下の変電所に送電線を渡しているのです。

　ところで「トサカ」の意味は何なのでしょうか？

　実は、鉄塔には電気を伝える送電線のほかに、雷などが直接送電線に落ちないように送電線の上で盾になる「架空地線」という線(一番上の少し細い線)を持っています。実は一般の鉄塔のトンガリ帽子やこの「トサカ」は、その架空地線を持つ部分なのです。

　よく見ると「トサカ」からは(写真では赤線で強調していますが)腕金を守るかのように、下の門型の鉄塔まで架空地線が張られ、そこから門型の鉄塔自体もガードするように延びています。

　鉄塔はその存在自体が「避雷針」のようなものですから、雷に対するいろいろなシカケがしてあるのです。