SVX日記

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2013-06-17(Mon) X999S号、到着

  先日、突然にフィルムカメラを持ち出してきたきっかけは、このX100Sというカメラの購入だったりする。

  画像の説明

  最近は、シンプルな形状だったり、滑らかな形状だったり、ブラックだったり、レッドだったり……そんな現代的なカメラのデザインに真っ向から逆らうような、このトラディショナルすぎる「銀+黒」のデザイン。見かけを大昔のカメラにしたててあるだけで、中身は超近代的なデジタルカメラ。まさに、銀河鉄道「999号」のコンセプトそのままである。なんかの冗談みたいだ。

  さすがに10万超えは高すぎるので、かなり躊躇し、何度もX20かXF1で済まそうか悩んだが、シャッターと絞りが直接にダイヤルで設定できるデザイン、スプリットイメージ(っぽいもの)でマニュアルフォーカスできること、イメージセンサがAPSサイズであること、などの要素はどうしても捨てがたく、X100Sを選択せざるを得なかった。

  というか、オイラは本格的にカメラに興味を持つ前から「銀+黒」のデザインに強く引かれていたのだよな。カメラに対する原体験と言ってもいい。その後、職場の備品のX-700で邂逅。現在、所有しているFM2/T、F3/T、TC-1、フェイクライカ、すべて「銀+黒」だ。ブラックボディにはまったく興味がないといってもいい。

  で、撮ってみて、これは強烈だ、と思った。おそろしく色が深く、おそろしく解像度が高い。それまで気に入って使っていたRichoCaplioGX8のノイジーな画像とは比較にならない。清く正しく3:2というのもいい。ボケも存分に楽しめる。CCDの大きさのなせる業であろう。なんだか、自分の目よりも性能がいいのではないかと思える……そんな比較をすること自体、これまで想像すらしなかったが。まさに、記録を超え、記憶として保存しておきたくなる、撮っておけば安心、というクオリティだ。

  なお、このX100Sは、USBマスストレージクラスには対応していないので、これまで便利に使ってきた、自作の「photrans」スクリプトが利用できない。カメラ直結でなく、毎回SDカードを抜くのもテではあるが、かったるいなぁ……と、調べてみると、X100Sの対応する画像転送プロトコル「PTP」は標準化されている規格であり、Linuxからgphoto2ライブラリで利用できるとのこと。実際、コマンドラインからサクっと画像転送することに成功した。

  すかさず「photorans.ptp」を作成し、これまで使っていたGX8と同様に利用できる環境を整えた。ちなみにGX8では「オリジナル」と定義されていた画像転送方式だが、実はこれもPTPであることが判明した。実際、gphoto2でアクセスできる。それなら、両方ともPTPに統一しようか……と思ったら、どうもGX8のPTPにはバグがあるようで、動作がおかしい。結局、GX8はこれまでどおり「photorans」X100Sは新しい「photrans.ptp」と使い分けることになった。

  ちなみに「photrans」はCUIで、差分のみ自動的に画像転送するスクリプトで「年/月/日」のディレクトリ構成に配置してくれるもの。一応、スクリプトをここに公開しておく。

  しかし、正直、ブツ撮りが撮影用途の半分以上を占めるオイラには、X100Sはあまり適切ではないチョイスといえるし、中途半端にカメラが大きいとか、レンズキャップが面倒だとか思わなくもないが、この雰囲気の前には、そんなの仕方ないと思わせる魅力が本機にはある。

  これから存分に主力機として働いてもらうことにしよう。