SVX日記

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2004-10-08(Fri) 神林長平「小指の先の天使」読了

  今日は工作の進捗はなし。よって、先日読み終えた本についてちょっと感想。

  画像の説明

  例の水戸黄門ハイキングの帰りに購入した、ハードカバーの本作だが、やっと読み終えた。もっぱら私の読書時間はたった5分の電車通勤時間に限られるため、読み終わるまでに非常に長期間かかるのである。最近、私は神林長平の本ばかり「読み返して」いた。神林の作品は非常に深い(と私は思う)ので、一度ならずニ度三度読まないと理解が進まない。実際には三度読んでもまだ読めそうな気がするほどだが、いい加減読み返すのもシツこくなってきたところに購入した本作、しかもハードカバーであるから、気合を入れてじっくりと読んでみた。

  本作は短編小説集であり、1つの書き下ろしを含む、6篇の作品が収められている。最初の作品「抱いて熱く」が1981年、その他3篇が1990年頃、残りの2編が2000年以降であるから、えらく時代がバラバラである。しかし、どこにも書いてない、もしくは私が気づかなかったのかもしれないが、本集はすべて同じテーマに沿って書かれているため、正確にいえば単なる短編小説集ではなく、神林お得意の連作短編集に近い。で、その同じテーマとは、下世話な言い方をすれば「マトリックスの世界」といえるだろうか。いわゆる、自分の生きているこの世界とは別の閉じられた世界、またはその逆にこの世界の上に開かれた世界が存在するということを前提にした物語である(これを神林はメタ世界と呼んでいる)。

  先も書いたように神林の作品では、かなり以前からメタ世界を度々扱っており、SF者にとってはその概念自体はさして珍しいものではないが「マトリックス」でそういう世界描写に初めて接し、もっと「先」を読みたいという読者にとっては文句なしに勧められる本ではないかと思う(マトリックスで息が上がっているヒトにはツラいと思うが)。

  「抱いて熱く」

最初の作品で、実に23年程も前の作品だ。SFとしてはライトで、後半に少しメタ世界が顔を覗かせる程度であるが、伏線はまさに冒頭1行目から始まっており、巧妙だ。ちなみに「マグナム壜」とはワインの大壜「キスリング」とは大型のリュックのことである。せつない語り口で、流れるようにラストに向かって行く。ピアノの独奏曲のようだ。うなる。

  「なんと清浄な街」

本作は最初から最後まで、メタ世界の存在を認識している登場人物たちの考察が続く。「死して咲く花、実のある夢」に近いスタイルで、まさに神林の本領発揮。私の場合、このタイプの神林の物語は、他のどんな作家の作品とも別格で、非常に奇妙な読み方を強いられてしまう。読み進めるうちに、自分自身でも考察を始めてしまい、登場人物たちの考察がウワの空になってしまうのだ。そうなると、少し戻って読み直さなくてはならず、ちっとも読み進められない。好きだが嫌いな、嫌いだが好きなタイプの作品。

  「小指の先の天使」&「猫の棲む処」

物語世界が同じなので、まとめてしまう。どちらの作品もメタ世界が過去の遺物となり、文明が土着民レベルに戻ってしまった世界の話。「魂の駆動体」の第2部に近いが、こっちのメタ世界は健在で、主人公はただひとりメタ世界を行き来できる老人である。「小指の先の天使」は神の存在の大胆な仮定「猫の棲む処」は猫の描写が面白いものの、残念ながらどちらも私には凡作に感じた。しかし、それも私が神林作品を読みすぎていて設定に驚きを感じないからかもしれない。なにしろ双方とも10年以上前の作品なのだ。

  「意識は蒸発する」

これは「ミクロの決死圏」テイストの話。当然ながら入り込む先はメタ世界である。まさにMMORPGを連想させる描写があちこちにあり、シンプルだが面白い。本作を読んだあと、自分の世界が閉じられたメタ世界であることを想像すると、日々のなにげない行動も面白くなる。

  「父の樹」

本作はSFマガジン発表時にリアルタイムで読んでいて、当時はさっぱり面白く感じなかったのだが、読み返すとなかなか面白いではないか。「ライトジーンの遺産」とクロスオーバする設定にもニヤリとできる。しかし、現在の世ほどモノ作りが楽しい時代はないと思える。私は個人的に工作が好きで、日々なにやら作業しているが、本作を読んで再認識した。ウチのオヤジもそのまたオヤジもなにやらゴソゴソを工作するのが好きな性格だったが、それは見事に私に受け継がれている。あまり作品とは関係ないが、本作を読みながらそういう性格で現在の世を過ごせることがとても幸せに思える。

  というわけで、なんだかんだいって神林の作品は間違いがない。最近は、他に興味をそそられる作家がなくて困っている。もうひとつ読んでないハードカバー「麦撃機の飛ぶ空」も買ってしまおうかな。

  なお、本来「メタ世界」のメタとは「高次の」という意味である。実際のところ「なんと清浄な街」以外はすべて「低次」の世界を扱っており、厳密にいうと「メタ世界」ではないかもしれないが、その辺はご愛嬌。


2005-10-08(Sat) みりんを飲んでみりん

  先日、流山市を散策した際、流山図書館に併設されている博物館を観て回ったトコロ、流山市の特産は醸造モノ、酒、味醂、醤油、味噌等だということがわかったが、特にオイラの興味を引いたのが「味醂」。つまり「みりん」であった。

  みりんという名前を知ってはいるものの、料理といえばペヤングを筆頭に「茹でモノ」程度しか嗜まないオイラにとっては、まったく未知の調味料である。一体、どんなモノなのだろう? 特に、展示の中に発見した「昔の女の人は、味醂を酒代わりに呑んでいた」という記述には、かなり興味をひかれ、もーそりゃ、興味津々である。それからずーっと、どうにかして、一度は呑んでみたいと思っていたのであった。

  そして、そこにタイミングを合わせたように、オイラの好きな理科番組「所さんの目がテン」が「みりん」を取り上げたのであった。へー、へー、へー。煮崩れ防止効果の他に、9種類の糖による……細かいハナシはオイラが書くより「目がテン!ライブラリー」を、各自に読んでもらったほうがよいだろう。しかし、アレだな。このページ、異様に詳しくまとめてあるな。番組を観る必要性が薄れてしまうほどに。

  あ、ちなみにこの「みりん」を取り上げた回は、6月12日放送分であるが、オイラが視聴したのは昨日である。サーバに大量に録り貯めてあるので、なかなか消化しきれていない嬉しい状況であり、かなりのタイムラグが生じている。

  さて!! そんなみりん日和の中、ふらりとスーパーに買い物に行けば、みりんをチェックするしかないじゃないか!! あった!! 本みりん。500ml程度の商品が3種類おいてある。ココは一発、地元びいきで「万上(マンジョウ)」のモノを購入である。価格は200円程度。なんとか、ネタのためだけにでも購入できる価格である。

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  ちなみに、このみりん。法律上はレッキとした酒である。実際、アルコール度は15度近くあり、日本酒と同程度だ。おー、ワクワクする。番組の中で、所ジョージが試しに呑みつつ「グッと呑むにはキツい」というようなことを言っていたが、さぁ、オイラにはどうか……

  「甘゛ッ!!!!!!!!」

  ……サラサラの液体ではなく、ちょっとトロみがある。そして糖が9種類かどうかはともかくとして、強烈な甘味。チビチビと50ccほど呑んでみたが、確かに酒っぽい味もするものの、甘味に消されてあまり感じない。なにしろ、甘い!! 甘い!! 甘い!! ガムシロップに蜂蜜と酒を混ぜたような味である。糖尿になりそうな不安感があるが、決してマズくはないぞ。醤油を飲んだり、味噌をナメたりするよりは、十分にイケる味である。

  昔の女の人が酒代わりに呑んでいた、というのも理解できる。ちょっと薄めれば、十分にカクテルテイストだからだ。「杏露酒(しんるちゅう)」と対して変わらない状態になる気がするぞ。実際、1対1に割って、カクテルにしたら、十分に呑めるのではないだろうか? 「ゴールデン・ミリーン」なんて名前をつけ、氷を入れて出したら、みりんを薄めただけのモノだとは気付かずに、みんな呑みきってしまう気がするぞ。

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  そして、予想通りというかなんというか、今晩のおかずは煮物であった……が、みりんを呑んだ後で食べても、味がせんっちゅーの!! あ、確かに煮崩れはしてないけどね。ごちそうさまでした。


2016-10-08(Sat) 「ブルーエアセンス フィルタ 交換 ランプ 消し方」

  ちょっとした都合で、家の中にブルーエアの空気清浄機が3台もあるのだが、今回はブルーエアセンスフィルタを交換。

  いきなりだが、届いた箱がマトリョーシカ状態であることに閉口。さすがに、一番外側の箱はいらんやろ……。

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  この手の空気清浄機は、稼働時間を計測していて、一定時間後にフィルタ交換ランプを点灯するのが常なのだが、ランプを消灯するには消灯操作を行わなければならない。しかし、このブルーエアセンスには、ボタンの類が一切なく、動作モードの切り替えすら、天板の上で手をソヨソヨして操作する設計。いったい、どうやったら交換ランプを消灯できるねん!?

  ブルーエアのサイトに行くも、デザインのオシャレさの反面、中途半端な情報ばかりで、目的の情報はなし。結局、アマゾンのレビュー欄に答えがあった。

  天板の赤いランプの部分にセンサがあり、そこに指を置くと、ランプが点滅を始め、それでも指を置き続けると、ランプが消える。

  んなこと、わかるかッ!!