SVX日記
2026-10-12(Mon) シンガポールで大きな気づきを得る
昨晩に行われた決勝レースの帰り、混雑の少ない逆側のゲート5を狙ったが、それでもモノスゴい人の群れであった……が、ふと、そのような状況ながら人の流れはスムーズであることに気がついた。みんな整然としている。無茶な行動をしているヤツがひとりもいない。そういえば、大声を上げているヤツもいないし、警備も……まぁ、警察はマシンガン持ってはいたけど、すごく暇そうだ。
……ふむん……そうか……そういうことかッ! ここにいる人間は、すべてF1を観るためにサーキットに入場した人たちなのだ。現地の人も、海外から来た人も、基本的にもれなく全員が金持ちなのだ。まさにこの状況が……
言っちゃ悪いが、野球やサッカーだとこうはならないだろう。ヒイキのチームが勝てば大騒ぎ、負けても大騒ぎ。どこのチームとは言わないが、比較的民度が高いはずの日本でも、外野から見れば眉をひそめるような様子になっていると言わざるを得ない。それに比べてF1ファンはお上品なのだ。もれなく。
そしてもうひと回り大きなことに気づく。比較的混雑しているMRTの乗客もお上品な方々ばかりなのだ。要するにシンガポール自体が、金持ちしか住んでいない国なのだ。いや、逆だな。シンガポールという国が裕福だから、国民全員が金持ちなのだ。
格差社会、というコトバがある。自分は割と余裕がある方なので、正直にいうと格差をわかってないし、わかろうとしたこともなかった。んが、シンガポールで実感した。格差が民度を下げるのだ。犯罪を作るのだ。だから解決が必要な問題なのだと。下側の人間じゃないから関係ない、わけではないのだ。格差が大きいということは国全体がバカに傾くということなのだ。
シンガポールの街はキレイだ。ゴミが落ちていない。それは、ゴミを捨てると罰せられる法律があるから、ではないように思えた。見えるところに自動販売機とか看板とかが少なく、注意書きも少ない。なので、街がスッキリしている。日本の街並みが恥ずかしく思えてくるほどだ。それは、民度の高さによる結果ではないかと思える。
交通の様子もそうだ。ちょっとクラクションが多いが、しばらくすると、その音色には日本のようなイラついた感情が乗っていないように思えてきた。おかしな運転をしているやつがいない。渋滞は酷いがイライラしているように見えない。ウルサいバイクも見ない。バカっぽいカスタムカーも見ない。結論は同じだ。シンガポールの人に日本を案内することがあったとしたら、恥ずかしく思うだろう。
そんな大きな気づきを得ながら、今日も起床。引き続き右腕が痛いのに慣れないままホテルの朝食会場へ。やっぱり今日も全く同じメニューである。さすがに飽きる。やっぱり右腕が使えないので、食パンに卵やらハムやらを挟んで左手で食う。
レースは終わったので今日は帰国……なのだが、今日の深夜に夜行する、という帰国スケジュールなので、今日は純粋に観光の日となる。正午前までゆっくりしてチェックアウト、ホテルに荷物を預かってもらってお出かけ。夜にここに戻ってきてバスで空港に向かうという寸法だ。
例によって行き先はカミさんにお任せ。MRTでセントーサ島に向かう。島とはいっても地続きなので、トコトコ歩く……が、動く歩道が止められている。だいぶ前からのようだ。と、思ったら行き止まり。よくわからんが、少し戻って車道の脇の歩道で向かう。すると、やたら派手なモールに出た。んが、目的地はシロソ砦らしい。そこへはケーブルカー(という名のゴンドラリフト)で向かう。カミさんはやや歴女なのでモールより砦。ある意味お任せしても安心なのであった。
シロソ砦は、イギリスが防御のために築いた砦だが、海からの侵略に備えてたら、日本軍が陸から来てしまってロクに役に立たなかったというタコスケな歴史を持つ。そこには、いろいろとその歴史について説明の展示があるのだが、大戦時に日本に武力で占領された、という事実の扱いが割とニュートラルなことに違和感を持った。
どうやら、占領された事自体に苦々しい部分はあったものの、その日本人に学べ、という指導者の意向があったらしい。シンガポール自体、現在も大いに親日の国らしいが、その指導者でなかったならどうなっていたものかと思う。敵であっても学ぶところは学ぶ。そういう姿勢がその国を超えられる理由かもしれない。アメリカに対する日本、日本に対する彼の国など、ここでもいろいろと考えてさせられてしまった。
散々歩いてからゴンドラリフトでモールに戻る。だいぶ遅いがなにか食わないと、と思いつつ回るが、辛そうだったり、高そうだったりでなかなか決まらない。結局、WeWaというファストフードに入った。ところが安パイを狙ったつもりが、中東系の店だったらしく、珍しいものを食うハメになった。ピタというものがパン生地の袋に具材を入れたもの、という認識はあったが、大きさが想像の3倍。中にファラーフェルという団子状の豆コロッケが5個も入っている。こちらもそこそこ値段はしたが、大きさを考えると必ずしも高いとは言えず、味もまぁまぁであった。
ぼちぼち島を後にする。島からはセントーサ・エクスプレスというモノレールで戻れる。なんと無料である。たまたま先頭車両に乗ったら運転席の中で……運転手が席に座らず後ろを向いてずっとスマホをイジっているw。完全自動運転なんだけど、日本なら一発で通報モノである。奥が深いw。で、終点に着くと……なぜか改札がある。どうやら、普通はここで一日乗車券とセットの入島料を払って島に向かうらしい。ホントは無料じゃなかったんだな。歩いて入れてしまったので気づかなかったよ。あはは。
まぁ、高さだけでいうと200mとそう大したこともないのだが、向かいの夜景がスゴい。船を模しているので、床は板張りで天井はない。そして柵は結構ザルである。何かを落としたら下の道路に直撃な気がするが、この辺も客の聡明さを信じているのだろうか。日本だとちょっとない設計な気がする。
そしてここまで来たらやっちまえ、とばかりに飲み物を購入してしまう。コーラっつうのも普通だし、ビールっつう気分じゃないので、中間を取ってA&Wのルートビア。5ドルだ。日本なら6本パックが買えてしまう。ふー。ひととおり落ち着いたら帰る。入り口のお兄さんが陽気に声を掛けてくれた。そういうのもいい。
あとは帰るだけ。MRTでホテルに戻るとバスはすぐに前倒しで出発。ちょうど30分で空港へ。チェックインはほとんど自動化されている。ちょっと時間があったので空港にあるジュエルという人工のデカい滝を観に行くが終わってた。遠いので腕の痛さに加えて疲労でグロッキー寸前だ。







